トロブリアンド諸島



 日本から南に赤道を越え約6000Km、西太平洋に浮かぶパプアニューギニア、さらに東のソロモン海に点在するトロブリ

アンド諸島、そのメインランドであるキリウィナ島には葉っぱのお金「ドーバ」が現在でも存在している。

 

             女の仕事は”葉っぱのお金”を作ること

 島のあちこちでバナナの葉を削っている女たちを見かける。この島では

国家通貨のキナと並んで葉っぱのお金「ドーバ」も流通している。

画像(ドーバを削る)

結婚(結納金)や葬儀(香典)などの儀式ではキナで代用することは出来な

い。

 女たちはそれぞれに模様を彫った板を用意し、バナナの葉を押し当て、そ

の上からヘラで削ることによって模様を写し取っていく。それを干して乾燥

ドーバを削る(画像アップ)

させ、束ねたら「ドーバ」の完成。誰にでも出来る簡単な作業である。

時々子供も手伝っている。

 50枚ほどで束ねていき、これが5束で1キナ(約30円)。国家通貨のキナと

交換することはしないがイモや刻みタバコとの交換レートで考えればそんな

ところである。

 例えば一人の男が亡くなったとする。亡くなった男から生前ヤムイモを贈

られていた女は(キリウィナ島では男は女へヤムイモを贈る風習がある。)

 未亡人の一族へ「ドーバ」を贈る。(母系制社会のこの島では男は収穫した

ヤムイモのすべてを自分の姪に渡す・・・妻ではない。)

また未亡人は喪に服す数か月の間、髪を剃り、黒い服を着け、生前世話になっ

た人達にお返しするためにドーバを作り続ける。家の中に閉じこもり他人と顔

ドーバの画像

を合わせたらいけないそうである。

 必要な量を作り終えたらドーバをお返しして(Bisaradabu)ようやく喪が明

ける。

 

               男の誇りは立派なヤムイモを作ること 

    

 男は主食であるヤムイモを作り、収穫のすべてを女(姪)に贈る。

ヤムイモは収穫後しばらく畑で展示し、村へ運んでからもすぐには貯蔵庫には

入れずに村の広場で展示する。(dadoriga) 

畑での展示の画像

大きなヤムイモが良く見えるように外側にして、うず高く積み上げていく。 

そして、いよいよ収穫祭ミラマラが始まる。             

 

 

村での展示の画像

 

 

 

 

 

ヤムイモ収穫のダンスの画像

 

 

 

 

村での展示の画像

 

 

 

 

 

              魂と言う意味のヤム芋収穫祭「ミラマラ」

 村の中央にそびえる貯蔵庫がヤムイモで満たされ(wariku),いよいよ "収穫祭

ミラマラ”が始まる。この日は”死者の島”(Tuma Island)から先祖の霊も帰って

くる。

 

 「ミラマラ」のストーリーを歌った歌はこちらから

ヤムイモ貯蔵庫画像

                

 

 

    

ヤムイモ貯蔵庫拡大画像

 


               気前の良さが男の価値を高める・・・クラ交易

クラ交易の画像

 ソロモン海に浮かぶ島々をリング状につなぐ交易「クラ」。

ソウラヴァ(赤い貝の首飾り)、ムワリ(白い貝の腕輪)この2種類のクラ財を

ソゥラヴァは島々を 時計回りに、ムワリはその逆に交換していく。物々交換と

違ってその場で2つのクラ財を交換することはしない。

受け取る側は同等かそれ以上の価値のものを期待するが、文句を言ったり拒んだ

りすることはクラの作法に反する。

ムワリ画像

 「クラ」の価値は、大きさや見た目で決まるのではなく、困難な航海をへてやってきた等、

「来訪歴」によって決まるのだとか・・・次の「クラパートナー」が貰い受けに来たら持って

いるいずれかのクラを差し出さなければならない。名声の高いクラを手元に置いておきたいの

は当然だがクラを行う男には“ふとっぱら”であることが要求される。気前よく差し出す事がさ

らに男の名声を高めてくれる。

 3000年も前から続いていたという「クラ交易」、ソゥラヴァやムワリを交換すると同時に

生活物資の交易も行う(ギムワリ)。


ソゥラバ画像クラ交易の地図